リアルパーツでみんなに自信を「エピテみやび」

本日は、エピテーゼを取り扱う「エピテみやび」の田村様にお話しを伺った。

エピテーゼとは、体の表面に取り付ける医療器具のことを指し、事故によって指などを失った方を精神的にも肉体的にもサポートすることができる。

 

 

(田村さんが作成したエピテーゼと作品たち)

 

写真は田村さんが持参してくださったエピテーゼやそれに関連する作品だ。エピテーゼとしての指(前方3つ)や耳(右奥)の他に、蚕の「シルP」(左奥3つ)などの作品も持参していただいた。指のエピテーゼは簡単に装着できるようになっており、本物との区別はほとんどつかない。

今回は、これらを作るに至った背景、エピテーゼが解決する問題を知る為、田村さんにお話を伺った。

 

 

 

そもそも、田村さんがこのような活動を始めようと思ったきっかけは何ですか?

もともと私は歯科技工士として歯の型などを作る仕事をしていまいた。しかし、直接お客様に「ありがとう」という言葉をかけてもらえないことに不満を感じ、お客様と間近に関われるように歯科技工士として歯科医院内で仕事をし始めました。2016年の秋頃まで歯科医院で働いていましたが、エピテーゼというものを初めて知り、これまでの歯科技工士としてのスキルを活かして個人事業主として活動を始めました。

 

なるほど、自分のスキルを活かして多くの方を支える仕事を選んだのですね。エピテーゼは事故によって指など体の一部を失った人にとってかなりニーズがありそうですが、どのようにアプローチしているのですか?

それが、アプローチの方法が難しいのです。(笑)例えば、指を失った人に対して「あなたは指が無いようですが、こちらのエピテーゼはいかがですか?」というようにお聞きすることはできないですよね。かなりデリケートな部分なので。なので、今は多くの方にこの活動を知っていただけるように努力をし、指などの体の一部を失った方々がそれを克服する選択肢として知っていただけるようにしています。

このエピテーゼを利用することで、多くの方が自信を持って生活することができるようになります。例えば、指を失ったとある方が、外出時にはポケットに手を入れるか、包帯を巻くなどしていたんですが、このエピテーゼを利用してそれらを気にすることなく楽しめるようになったと言っていました。さらに、ちょっとしたお買い物の時、お出かけの時、デートの時など用途によって使い分けることもできるので、いつでも利用していただいています。

いつでも付けることができるんだけど、リラックスしたい時には外すこともできる。それがエピテーゼの魅力だと考えています。

 

(エピテみやびを運営している田村さん)

 

用途によって自分の体の一部を付け替えるという発想はなんだか不思議ですが、常にエピテーゼを利用するユーザーにとっては非常に重要な機能だと思います。さて、田村さんは指などのエピテーゼ以外にも多くの作品を作成していますが、これらの目的はなんですか?

これらは全てエピテーゼで使用する素材と同じものを使って作っているんです。この素材を活かした作品を作るのは、これが皆さんにエピテーゼを身近に感じてもらう一歩になると考えているからです。

例えば、この「シルP」(写真左奥3つ)。これは私の工房がある群馬県で有名な養蚕にちなんでカイコをモチーフにしたものです。ある養蚕家がカイコの展示をしようとしていたのですが、やはり生き物、環境の変化で負荷をかけるわけにも行かずに展示をできずにいました。私も実際のカイコに触ってみました。そしたら、すごくプニプニ。で、その時思いついたんです。これを作ってしまえば良いって!そしたら観光で来た人たちはそれを自由に触ることができて、実際のカイコの感触を体験することができるんです。

私は、いつかこの「シルP」を皆さんが群馬県のマスコットキャラクターとして身に付けてくれたらいいなと思っています!世界遺産の富岡製糸場を有する群馬県ですから。

 

確かに、このような生き物の形であれば馴染みやすいですね。そこからエピテーゼに興味を持ってくれる方が増えることを期待したいですね。

では最後に、今後の展開とご自身が目指す社会についてお聞かせ願えますか?

はい、今後は様々な場所でこのエピテーゼを広めて、体の一部を失った人が自身を持って生活出来るようにしたいと考えています。様々な方にエピテーゼを知っていただく活動の一つとして、現在はアートとのコラボレーションを模索しています。一般的に多くの人に受け入れられにくいエピテーゼですが、アートの世界で受け入れられる可能性は高いと思っています。あとは、テクノロジーとの融合も模索しています。例えば義足。現在でも義足は存在していますが、今後その義足の見た目を重視する動きが生じると考えています。より本物に近い見た目を実現するために、エピテーゼの技術が応用できます。限りなく本物の足に近い義足を作成することができれば、ユーザーの方はお風呂に入ることも出来るでしょうし、ハーフパンツで過ごすこともできます。このように機能が十分満たされたものに、見た目と触り心地という価値が付加される動きが見られるようになってくるのではないでしょうか?

私は、ユーザーの方が見た目が変わることによって自身を持ち、世界中の人と関わり合いを持てるようになってほしいと思っています。

 

ありがとうございました。おそらく、世界中に事故によって体の一部を失い、自信をなくしてしまった方は少なからず存在しているでしょう。その方たちを肉体的にも、精神的にも支えることが出来るこの活動に共感しました。

 

 

今回の取材を終えて、エピテーゼが持つ可能性を垣間見ることができた。今はまだ多くの人に知られていないエピテーゼだが、これが世界中の人に周知され、体の一部をなくした方々が自身を取り戻す手段の一つとなることを期待したい。

選択肢としてエピテーゼが普及することは、すべての人が同じ立場に立ち、自身を持って今を生きることにつながるだろう。

 

(田村さん作成の「ハムジャーノン」)

 

 

 

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