日本の未来とプログラミング “ハックジャパン”

「プログラミング」という言葉に慣れ親しんでいる人は、いったいこの日本にどれだけいるだろうか。言葉そのものは知っていても、実際にやったことがない人がほとんどだろうか。そう、IT企業などに関わっていなければなかなか目にすることも触れることもない。筆者もそのうちの一人であるが、そもそも日本におけるITスキルのレベルが低いこともその理由の一つだろう。今回筆者は、IT企業の問題を解決しようと大阪と東京に事業を展開している、NPO法人ハックジャパンの副代表理事を務める落合大輔さんにお話を伺った。

起業のきっかけはハックジャパンの代表理事を務める小山さんが、義務教育の半分をアメリカで過ごしてきたために感じた日本のITスキルが全体的に低いことに対する疑問から、プログラミングとプレゼンテーションのレベルを世界の標準レベルまで持ち上げられないか、と考え事業化したことだそうだ。そして現在、NPO法人としてさまざまなプログラミングコースを展開している。例えば、小中学生のための探究型プログラミング教室Next School。これは大阪と兵庫を中心に展開している教室で、自分で考えて学ぶ力を、プログラミングを通して養うことを目的としている。プログラミング初級コースと、中級者向けのWebデザインコースがあり、さらに新しいコースも準備中だ。そしてなんといってもハックジャパンの目玉は中高生向けのINOVATION CAMP(#イノキャン)である。年間通して3回ほど開催されているアントレプレナーシップ体験キャンプで、実際の現場に足を運び、現場の声を聞き、議題解決に取り組み、最終的に自らの企画案を提案するという内容になっている。しかしなぜ、短期集中型のキャンプなのか。短い期間で成果にコミットできるような機会をつくりたかった、と落合さんは語る。さらに短期的に大きく成長してもらい、強く実感してもらうことで、その楽しさや面白さを共有できれば、というねらいもあるという。そして小中高生向けの教室だけかと思いきや、#イノキャンは大学生にもその門を開き、プログラミングワークショップを学校向けに開催し、「本当に生徒のためになる最高の授業を。」というコンセプトのもとで教育関係者にも大きな力で働きかけている。さらに次世代育成の教育領域での企業・自治体とのコラボレーションを図って企業・行政の方への働きかけなど、年齢に関わりなく展開しているのも魅力の一つと言えるだろう。
まだまだ世界レベルで見ても、教育の重要性が理解されていないように感じる部分があると、落合さんは語る。「いわゆる受験科目の国語や数学などに関しては十分に重要性が理解されていると考えます。しかし、本来重視されるべきITを活用する技術や相手に物事を伝えるための技術に関してはあまり理解が進んでいません。AO入試などの制度を作り大学から教育を変えていこうという流れはあるものの、まだまだ浸透していないのが現状です」。さらに先進国や発展途上国など関わりなく、世界中のどの国でもハイレベルな、子どもが輝ける教育を広げていきたいという落合さん。「子どもが輝ける教育とは、子どもが興味を持って自主的に学ぶことができる環境だと考えます。ただ単に知識がほしいのであればインターネットで検索をすればいくらでも見つかります。ですので、知識を教えるだけの従来の教育にはあまり価値がありません。なので、子どもの本能的な探究心を目覚めさせること。そして、自分から自主的に学習できるように必要な情報を検索する力を育ててしくのが我々の役割だと考えています。」
今後は関西圏を中心に、教育機関・行政・民間の三者の立場で確実にハックジャパンのネットワークを広げ、グローバルな展開を目指していくという。